―「NCA北陸本部だより」より―

日本カイロアカデミー北陸本部セミナーが12月9日に、荒川善治先生をお迎えして富山県大門町で行われました。今回は、〔足部のDeformityと関節連鎖〕でした。

歩行時における足部のバイオメカニクスの話や、ニュートラルポジションにおける踵骨内反位でのフィクセーションの見つけ方、後足部内反変形の見方や前足部内反変形の見方など、沢山の足部の話を聞かせていただきました。

―「足部のDeformityと関節連鎖」セミナーテキスト冒頭文より―

「足部のフィクセーション・サブラクセーションを検出しアジャストメントする。これにより正常な筋肉の促通・抑制を回復、身体の神経学的統合不全を改善する為の一助となることもあるだろう。

しかし、アジャストメントをする以前にもっと重要な問題がある。 それは、サブラクセーションや、足部の異常な関節運動が、どのようにして生じたのか、その病的メカニズムをまず知ることである。

つまり我々が最初に行うアプローチはサブラクセーションのアジャストメントではなく、サブラクセーションを理解することにはじまる。このような思考過程を経て改めて足部を見直してみよう。その成果は日々の臨床で確認できる。結果、患者は勿論、ドクターにとってもはるかに有用であることがわかるだろう。」

― セミナーはじめの10分間の内容―

足部の変形と言わずにdeformityと横文字にしたのは意味があります。通常「変形」というと、外から容易に判断できます。このような誰が見ても分かるような「変形」とは区別する意味でdeformityとあえて英語にしました。関節面の変異が存在していたとなると、外から見ただけ、その外観ではまったくわからないのです。

例えば、「立方骨の踵骨突起が欠如し、対応する踵骨関節面も平坦な形状」といった具合です。足部をどの角度から見ても関節面の変異は確認できません。また関節面の変異があることなど考慮して足部の治療をされることはまずないと思います。この場合、前足部は立脚中期に外側部へと力がかかり、代償性の距骨下回外が立脚中期後半にはじまるのです。もちろん関節連鎖により、その影響は足部だけで終わるものではありません。

今日は、このような足部の様々なdeformityの見つけ方と、deformityとfunctional causesの鑑別、これらによって生じるキネテック・チェーンの問題をお話したいと思っています。

― 構造的O脚と機能的O脚 ―

ニュートラルポジションにおける踵骨内反位でのフィクセーションと後足部内反変形(Reafoot Varus Deformity)が分かれば、その関節連鎖から機能的O脚の成因もすぐ分かります。デモンストレーションで機能的O脚の処置を説明。

― 外反母趾の腫れがひかない?―

ニュートラルポジションにおける前足部内反位でのフィクセーションと前足部内反変形(Forefoot Varus Deformity)の異常メカニズムが原因のひとつとして考えられます。つまり長腓骨筋の弱化が第1レイのシフトを妨げ、その結果、趾骨と中足骨がぶつかり腫れたり痛みを訴えたりするようになります。母指の外反の程度は僅かなのに腫れがひかない患者さんなどおられませんでしたか。だから矯正するためのテープや装具をつけても症状はかわらないのです。また痛風なんて言わないようにして下さい。(笑)

荒川先生のセミナーを受講して 佐野 明文 (長野県)  ―「NCA北陸本部だより」より―

私の治療の中で、足部に関しては、何となく触診してフィクセーションがあれば可動性を付けるという程度のものでした。足部が上体に対して影響を及ぼしていることは、臨床カイロプラクティック学での講義でも受けていましたが、私の頭の中で消化しきれておらず、患者さんの状態に対する明確な分析と治療指針を立てることが出来ずにいました。

今回のセミナーは、そんな私にとって最適なものだったと思います。足部の変位のパターンとその変位によって生じる異常のメカニズムや症状をわかりやすく教えてもらうことが出来ました。また、正しい立ち方や歩き方も、これからの診療の中で患者さんへのとても役立つだろうと思います。

荒川先生からも短時間の中で出来るだけ多くの知識を伝えたい、また足部に関する知識を日々の臨床い役立ててもらいたいという熱意が感じられました。

「知らないことは、見逃してしまう」と言ってられましたが、私の場合、今までは完璧に見逃していた感じです。今回のセミナーで得た知識をしっかり自分のものにして、見逃さないようになりたいと思います。講師の荒川先生、またセミナーに招待していただいた北陸支部の先生方、本当にありがとうございました。 (注:ペーパーからスキャナで写真をとりこみましたので画像が乱れました。失礼しました。)

―全員集合写真―

「NCA北陸本部だより」では、写真20数枚、5ページに渡って今回のセミナー内容が掲載されていました。役員の先生方のご苦労に改めて感謝申し上げる次第です。

関西からも7、8名の先生方が駆けつけて頂きました。遠路、車のトラブルでセミナーどころではなかったかと思いますが最後までご静聴有難うございました。(その後、アウディはどうなったのでしょう...)

 

 

 

 

 


1999/03/28 所長、江崎器械株式会社本社において、「歩行時における足部の理想的運動・異常運動」について実技を交えながら講演。

このサイトのコンテンツにあるWalkingの内容を中心に、実技を交え医療関係の先生方に講義。

1997/12/07 所長、「最新栄養学」について講演。会場:(財)京都市中小企業振興センター(KPC会館)

1997/10/26 所長、「糖尿病」について講演。会場:(財)京都市中小企業振興センター(KPC会館)

1997/09/28 所長、「慢性疲労症候群」について講演。会場:(財)京都市中小企業振興センター(KPC会館)

1994/6/15 「水」について講演

所長は(株)ワコー教育サービス代表取締役 田中稔郎氏の要請を受け、ワコー本社にて、初めて「水」についての講演を行った。『にわか物知りである私が、社員の皆様の前でお話するのは失礼。』と遠慮しきりだった所長も、いざ始まると商工会議所でカイロプラクティックの話しをされているときと全く同じ調子。これからはプレゼンテーション用のツールを利用して、視覚面を強化していきたいと早くも次回のことまで考えている変貌ぶりに唖然!

1993/9/1 京都商工会議所で講演

所長は異業種交流会の要請を受けて京都商工会議所3階会議室にて各企業の代表の皆様にカイロの講演を行った。テーマは、「病院で原因のわからない腰痛のお話」で、今日の米国では7500万人の人々が腰痛で悩んでおり、毎年700万人の新しい患者が発生し腰痛の診断と治療に年間50億ドル以上が費やされている等、現状のアメリカが抱える問題の説明から始まり、日常生活のいろいろな姿勢での腰椎にかかる圧力(負荷)の計算、腰痛診断のパラドックスと話が進み、ついで腰椎仙腸関節の生体力学のデモンストレーションを交えての腰痛の臨床例に話しが及ぶと、既存の医療の問題点やカイロ治療の効果に対する鋭い質問がとびかい会場は熱気に包まれた。

1993/05/01〜05 NCA池田学舎で講義

去る5月1日、所長は日本カイロアカデミー池田学舎で講義を行った。この講義はNCAの3年生用カリキュラムの一環として行われたもので、およそ50人の受講者を前に、「四肢のバイオメカニクスとテクニック」を実技を交えていつもの京都弁で講義した。今回の講義参加者はカイロ大学経過措置課程カリキュラムCH‐0007、7L、8L、9Lに計上されることが決定している。

1991/08/25 コンセイレ会館で講演/JCA認定支部セミナー(関東支部)

所長、JCA関東支部よりお招きをうけ、「不良姿勢から考えられる主な筋異常」のテーマで講演を行った。

1991/12/15 石川県厚生年金会館で講演/JCA認定支部セミナー(北陸支部)

所長、JCA北陸支部よりお招きをうけ、「機能的内科問題の治療」のテーマで講演を行った。

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