ビタミンの栄養学定義

「微量でヒトおよび動物の栄養を支配する有機化合物で、体成分の構造材料やエネルギー源となる炭水化物、脂肪、タンパク質とは異なり、生体内の代謝」を含む生理現象に潤滑油的な役割を演じ、動物体内では合成されないため、外部より食餌として摂取しなければいけない栄養素」です。

ビタミンが不足する主な原因としては、インスタント食品や糖質の過剰摂取、バランスの取れていない食事、偏食、過度のダイエット、土壌の質による野菜の栄養価減少、アルコール依存症などです。

ビタミンと酵素

ビタミンは酵素との関連性が深い。酵素はタンパク分子に特別な有機化合物=補酵素がついて働くことができます。この補酵素の主成分がビタミンなのです。そして、ビタミンそのものも酵素の働きを助けたり、作用を活発にさせる働きがあります。

栄養素の優先代謝の法則というものがあります。通常の栄養素の必要量は第一段階の生命維持に必要な量であるため、その量だけを満たしていても、病気予防や健康は保てません。

栄養学を軽視する現代医学

現代医療はこのような、体をつくり、健康を維持するために必要な栄養の面での治療法を無視しています。現代医療は病原菌を退治することによる治療に偏った治療です。そのため、薬に依存してしまい、体調が悪いと栄養について考える前に、盲目的に病院に走り、薬や注射に頼ってしまうのです。

病気は遺伝だけが原因ではありません。例えば、糖尿病も遺伝の要素が大きいといわれていますが、それだけではありません。亜鉛が欠乏し、インスリンが作れずに糖尿病になった親から生まれた子供は、やはり亜鉛不足の細胞をもってうまれます。その結果、その子供も糖尿病にかかりやすいのです。このように、病気が遺伝だけではなく、環境条件によって発生する場合があります。

ストレスと栄養療法

ストレス→脳下垂体が副腎に指令を送る。

     副腎はストレスに対処すべく副腎ホルモンを分泌

       ↓

     エネルギーを与えるため血糖値が上昇+

アドレナリンとノンアドレナリンの影響で筋肉や血管を収縮させ、血圧も上昇。

これらは体を防衛するホルモン作用です。ストレスに対応するための働きは副腎に依存しているので病気の原因になります。副腎のホルモンが正常に分泌されていれば、ストレスは速やかに処理されます。栄養療法では副腎に必要な栄養素を補い、ストレスの害を防ぐことができます。

現代の食環境の問題点

現在の食品はあまりにも加工・精製されすぎて食品としての栄養価の大部分が破壊され失われてしまっている。土壌、水質、空気の汚染や不自然な栽培方法(化学肥料と成長促進剤に依存)農薬や食品添加物などの影響で副腎が衰弱するとさらにストレスに弱くなります。このような食物とはいえない食品をとることがさまざまな現代病の原因となっています。

健康のカギとなる必須栄養素

女性のガンの50%、男性のガンの30%は食事が原因となっているというアーネスト博士の言葉があります。病気の治療とは、必須栄養素を十分に補うことによって細胞を正常化させることで、栄養による細胞の正常化は、薬と違って時間はかかるが、副作用もなく安全です。

毛髪分析

わたしたちひとりひとりが異なった体質や食生活をしているので、必要とされる栄養素もそれぞれによって異なっています。毛髪分析によって体内の有害なミネラルの蓄積や必須ミネラルのアンバランスを把握し、自分に適した栄養素を補給することが必要です。

現代型栄養素失調による代謝異常のサイン

軽度

疲れやすい、元気がない、集中力がない

中軽度

貧血、更年期更年期、腰痛、便秘、アレルギー

重度

糖尿病、高血圧、心臓病、ガン

ビタミンB1

難病だった脚気がビタミンB!の発見により多くの患者の命が救われました。この画期的な発見以前は、病気の原因はすべて細菌や毒素によるものだと考えられていました。しかし、脚気という病気はビタミンB1の欠乏に神経障害がおこるものだという栄養不足からくるものだったんです。この出来事は病気予防や治療、健康増進のための、科学的研究の幕開けになりました。ビタミンB1だけでも神経伝達やエネルギーの生産、抗がん作用、頭脳の働きを活発にする作用など、たくさんの役目を果たしてくれます。

ビタミンB1の所要量は摂取カロリーに比例して決定されます。 

摂取エネルギー 1000カロリーあたり0.4mg

成人所要量 男性1.1mg/日 女性0.8mg/日

水溶性なので調理による消耗が大きいので摂取不足に留意する必要があります!!特に、授乳時のお母さんは、ビタミンB1の補給は大切です!以下の表は、ビタミンB1が含まれている食品例です。

食品中のビタミンB1

mg/100g

酵母(乾燥)
肝臓(牛・豚)
卵肉類(牛・豚)
牛乳
人乳
チーズ
玄米
白米
イモ類
豆類
葉菜類

2.6
2.0〜2.2
0.3〜0.4
0.08〜0.16
0.15〜0.18
0.03
0.4〜0.9
0.05
0.03
0.03〜0.04
0.1〜0.3
0.03〜0.3

ビール酵母、玄米、小麦胚芽、米ぬか、無精製の穀類、大豆、レバー、豚肉、うなぎ、ピーナッツなどに多く含まれています。

上記のようなビタミンB1のように、他の栄養素にも体の中で多くの役割をしています。日本の現代医療は、栄養摂取不足や偏りによる体の異常を副作用なく治療する栄養科学的な医療をもっと取り入れるべきなのです。