医者は身体を治す人、患者さんは身体を治してもらう人と、とくに理由もなく定義づけている方は多いのではないでしょうか。

もともとdoctorという言葉はteacherを意味するラテン語に由来しています。つまりドクターは検査・治療だけではなく、日常生活のなかで、どのような生活習慣が、現在の症状と関連するのか、その原因と病状へのプロセスの説明まで言及することが、本来あるべきドクターの姿と言えるでしょう。また教わる側の患者さんは、ドクターからの指導を守るよう努力する必要があるわけです。他力本願ではなく、先生と一緒に治してゆくという心構えが大事となります。

皆さんも背中が猫背になっていたり、足を組んで座ったり、ふと気がつくといつも同じような姿勢をしていませんか?

普段そのように無意識に行っている動作や姿勢が、どのようなプロセスで動力学的・生理学的な機能システムの異常に関連してゆくか、これを分かりやすく説明することは、患者さんにとって重要な意味を持ちます。

何故なら、「説明」により→「日常生活の注意点の発見」→「注意点の改善」→「病状の早期回復」=「再発予防」と良い循環が生まれます。加えて、痛いところが悪いところとする。これまでの発想の転換にもつながります。

これとは反対に、病状へのプロセスについての知識がなく、病気は局所的な異常とする発想であれば、次のような判断をしても仕方がありません。例えば、「腰に注射を打ってもらったら痛みがなくなった。もう腰は治った。」と、全て問題は解決したように判断しがちです。1回のカイロプラクティック施術により症状が消失しても同様です。

今は痛みがおさまっているだけで、症状を引き起こした原因・誘因が未だ存在していることを、痛みが以前より激しい状態で再発することで、はじめて気がつくのかも知れません。

* 上の写真でモデル着用のレオタードは、治療プロセス及び身体の動き等を分かりやすく見せるためであり、実際の治療で着用することはありません。当院では、多くのカイロ専門のオフィス同様、患者さん用のガウン(後開き)に着替えていただきます。着衣の上からでは、正確な背骨・骨盤の検査及び治療が困難となります。

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