京都南カイロプラクティック研究所で行っている足部の検査方法をご紹介します。一般の方が読まれるには専門用語がすこし多くて分かりにくいかもしれません。一口にO脚といっても、脚が広がる原因は複雑なんだな〜と思われることでしょう。治療室では必要に応じ個々のテストおよびその結果について説明させていただいています。

Biomechanical Examination of Foot

目的:足部のDeformityとFixationの鑑別。クローズド・キネティック・チェーンによる病的メカニズムを理解することで、連鎖的に出現する病態の治療と予防に役立つ。また構造的O脚と機能的O脚のスクーリング、および矯正方法の道標となる。

 仰臥位

1.足関節の背屈可動域の計測(関節屈曲位・伸展位もチェック)
前足部外反変形(Forefoot Valgus Deformity)、あるいは第1レイの底屈変形が存在する場合、第1中足骨の傾斜角度が高くなる。このため極端な背屈可動性制限がみられた場合、DeformityとFixationの鑑別のためのテストを行う。筋性由来のものは次のとおり鑑別は容易である。 @伸展位で制限があり屈曲位により軽減→腓腹筋の硬縮。 A伸展位、屈曲位ともに制限がある→ヒラメ筋の硬縮
2.第1趾(MP関節)の背屈可動域の計測。
3.第1中足骨の位置と1st Ray motionを調べる。
4.横足間関節の縦軸上で前足部の内反可動域を調べる。
5.脛骨捻転を調べる。 @テーブルに対して大腿骨両顆を平行にする。(若干、屈曲すると両顆が平行であるかどうか分かる。)平行であれば膝関節を伸展したときに足は垂直に挙がる。
6.足根骨可動性テスト(Kaltnbornの「10のテスト」)を必要に応じて行う。
1) 第2,3 楔状骨を固定し,第2中足骨の可動性を調べる.
2) 第2,3 楔状骨を固定し,第3中足骨の可動性を調べる.
3) 第1楔状骨を固定し,第1中足骨の可動性を調べる.
4) 舟状骨を固定し,第1,2,3楔状骨の可動性を調べる.
5)距骨を固定し,舟状骨の可動性を調べる.
6)立方骨を固定し,第4,5中足骨の可動性を調べる.
7)舟状骨と第3楔状骨を固定し,立方骨の可動性を調べる.
8)踵骨を固定し,立方骨の可動性を調べる.
9)距骨を固定し,踵骨の可動性を調べる.
10)距骨を固定し,脛骨・腓骨の可動性を調べる.

 伏臥位

1. 距骨下関節を中立位に保持し踵立方関節を閉綻状態close‐packed positionにする。(非荷重時)
2. 踵骨の2等分化。中立距骨下配列の計測。前足部配列の計測を行う。O脚矯正希望の患者さんには、 ニュートラルポジションにおける踵骨内反位でのフィクセーションと、後足部内反変形(Rearfoot Varus Deformity)の有無とその鑑別がとくに重要となる。

 立位

1. Squinting knee capsが確認できれば、距骨回内によるクローズド・キネティック・チェーンに起因するものか、大腿骨前捻・脛骨外捻に起因するものか確認。
2. FTA(femoro-tibial angle)大腿骨脛骨角の計測。 成人の平均値(男性:178°女性176°)この数値よりFTAが大きい場合O脚とするが、顆間距離でみるほうが患者さんに分かりやすい。
3. 脛腓内反の計測。計測の前に、患者を正確に歩行角と歩隔に合わせて自然に立たせる。
4. 荷重位での踵骨2等分線と床との関係をみる。荷重時では脂肪パッドがどのように偏位するかチェック。(正常では荷重時皮下脂肪は約25%減少)
5. 横足根斜軸(OMJA)の垂直位への偏位の有無。これがあれば荷重時に前足部の外転が認められ、踵立方関節の外側形状に特徴的な変化が確認できる。(Exaggerated lateral counter) 前足部内反変形(Forefoot Varus Deformity)を疑いチェックする。

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