私のカイロプラクティック治療体験記

私がカイロプラクティックのお世話になりはじめてから、既に半年が過ぎました。小さい頃からの慢性的な肩こりと、倦怠感、それに加えて足から腰にかけての筋の痛みという、二十代の若者らしからぬ症状があり、カイロプラクティック以前には、外科の病院・漢方薬・針などいろいろ試してみました。

しかし、思うように治らず半分は諦めていました。その頃からカイロプラクティックのことは知っていましたが、頚や手をバキバキやって治す荒治療のイメージがあって、行ってみようという気が起きなかったのが事実です。

知り合いの紹介で京都南カイロプラクティックに来て初めて、カイロプラクティックがアメリカではかなり民間に浸透していること、体全体の調子を見ながら治していくものであることを知りました。

私の場合、始めは三日に一度くらい、少し良くなってきたら一週間に一度、十日に一度、二週間に一度、そしてこの間からは三週間に一度治療に行けばいいことになりました。私は、右の足首から先が内側に曲っていて、そのせいで左右の足の長さが微妙に違っていたそうです。厚さがたった1ミリのビニールの板を右足に入れただけで、足の筋肉のつっぱった感じが和らぎました。先生のご説明では、解剖学的短下足が原因で、内臓の働きも悪くなり、体中がこわばったようになっているとのことでした。

治療は、足・腰の他に内臓の治療があり、この治療は初日から効果は的面でした。お通じが自然になり、胃腸の調子が良くなりました。そして今では、あんなにひどかった肩こりも随分治ってきたのです。踵から着地して親指側で蹴り出すよう自分なりに歩き方を気をつけたり、横隔膜の動きが良くなる様に腹式呼吸をしたりして、治療だけに頼らないよう努力しています。

今私が思うのは、人間の体は本当に繊細だなあということです。ほんの少しの骨格の歪みで、体全体にいろいろな影響を及ぼしてしまうからです。それに敏感に反応してしまう人、気づかずにずっと丈夫に暮らせる人さまざまですが、病院へ行ってもどこも悪くないのに体が辛い人などにはカイロプラクティックが向いているのではないかと思います。

しかし、日本ではまだカイロプラクティックはそれほど知られていないように思います。私の様に間違った認識をしている人も多いようでしょう。実際、マスコミなどでも、見るからに痛そうな治療を“カイロプラクティック”と紹介していたりします。たくさんの人がカイロプラクティックの治療を受けられるようになるには、カイロプラクティックの正しい知識を広めることが大切だと思います。私も、「私はカイロプラクティックで治ったから、あなたも行ってみたら?」と言えるように、早く完治できるよう頑張ろうと思っています。

先生のコメント:下肢長の計測は、ASIS(上前腸骨棘)から内果あるいは外果までの長さを調べます。実際の臨床では左右の筋の肥大度が異なることが多いため、1o2o程度の長さの違いは誤差として扱われることが多いようです。しかし、それが誤差ではなく真の脚長差であれば多大な影響を生体に与えます。つまり「左右差」を身体が補正することになるからです。
 5o以上の脚長差があれば腰痛・坐骨神経痛・股関節痛が出現するという報告もあります。(Friberg O:Clinical Symptons & Biomecchanics...in Leg Length Inequality,Spine(8)6,1983)左図は、“Myofascial Pain and Dysfunction The Trigger Point Manual”を参考にして右側の解剖学的短下肢(図・中央)を描きました。右側の骨盤が下方に傾斜しているのが分かります。図・左は、解剖学的短下肢を補正した状態です。実際は、神経筋骨格障害による機能的短下肢がほとんど(90%)で踵の補正をしなくても矯正可能です。
 下肢長の計測については、大腿骨・脛骨の先天的・後天的捻転および筋容量を考慮しつつ次のように計測します。
 1.下肢長の計測は、仰臥位で骨盤の上前腸骨棘から足関節の外果(内果)までの距離を計測します。
 2.大腿骨の計測は、股関節大転子から膝関節外側裂隙までの距離を計測します。
 3.下腿部の計測は、膝関節内側から足関節内果までの距離を計測します。
下肢長の差が確認できれば引き続き2.3.の計測を行います。 当院では別法として次の計測法を採用することが多くあります。理由は患者さんが目で見て脚長差を確認できるためです。
 まず仰臥位で両方の足底をベッドにつけて頂き、両膝関節を90度に曲げてもらいます。 もし一側の膝関節が他側より高い場合は、高いほうの脛骨が長い(低いほうの脛骨が短い)ということになります。 また、一方の膝関節が他方より前方に出ていれば(患者さんの側方に立って確認します)、出ていたほうの大腿骨が長い(短いほうの大腿骨が短い)となります。脛骨の長さは、両方の膝関節を90度に曲げてもらったその上にプレート(板)を置き、角度計をおき傾斜があればその角度を確認します。大腿骨の長さに差があれば両方の膝関節に上にプレートを置くことができないため、この場合は巻尺による計測となります。
 膝下の差に対してはヒールリフトによる矯正がもっとも効果的に現れるパターンです。 膝上、つまり大腿骨の長さに差があり、膝下の長さに差がない患者さんにヒールリフトをつける場合、かなり慎重に経過を観察しなければいけません。 その理由としまして、ヒールリフトにより大腿骨レベルでは水平となるのですが、 『膝のレベルでは長さが違う』ということになります。この様な場合脊柱・骨盤の代償的な問題も含めて、合理的な臨床判断に到達するために知識と経験がこの場合特に必要とされます。

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