HX‐01BL-3‐O-エチルアスコルビン酸)の主要特性

1998年9月

-ビタージュ株式会社の資料より一部抜粋-

1.物理化学的特性

分子式:C8H12O6

分子量:204.18

純度:99.0%以上

性状:自色の結晶または結晶性粉末で、無臭またはわずかに特異臭がある。

2.化粧品原料としての認可状況

日本:1997年認可済

韓国:1997年認可済

3.安全性

HX-01Bは、40℃の水溶液および緩衡液中で90日間安定であった。これは HX-01Bのethoxyl基によって、アスコルビン酸のen‐diol構造が安定化し、また、金属イオンから保護された結果である。したがって、HX-01Bを配合したクリームや乳液が着色したり、ガスを発生することはない。

4.吸収性

HX-01Bは皮膚からも吸収される。当社の実験では、塗布したHX-01Bが表皮を透過し、塗布量の1.0%相当量が真皮内で検出された(別紙 資料1参照)。

5.還元力

HX-01B以外の安定型アスコルビン酸誘導体は、代謝されて始めて還元力を獲得する。したがって、これらはプロビタミンとよばれている。一方、HX-01Bは代謝されなくても既に酸化還元力を有しており、いろいろなラ ジカルを還元する。したがって、HX-01Bは抗酸化剤としても化粧品に使用できる。

6.美白作用

アスコルピン酸はメラニン産生を強力に抑制する、その結果、メラニンが減少する。この作用は、銅一アスコルビン酸複合体が形成されることによって、チロジナーゼ活性を阻害することに由来している。しかし、アスコルピン酸を皮膚に適用した場合、その美白作用やシミの褪色効果はほとんど期待できない。

B16メラノーマ細胞培養系では、HX-01Bのメラニン形成の抑制程度は軽度に過 ぎないが、人や実験動物に適用した場合は、HX-01Bを2.0〜5.0%配合した軟膏で、色素顆粒の顕著な褪色や美白効果が認められた。すなわち、色素が沈着した皮膚、日焼けした皮膚、肝斑などにおける美白効果は顕著であった。

7.コラーゲン生合成の賦活作用

HX‐01Bは、皮膚細胞やコラーゲン生合成に対して、用量に比例した反応を示す。HX-01Bのこれらの作用活性は、アスコルビン酸リン酸エステルとほぼ同程度である。

したがって、HX-01Bには、コラーゲン生合成の賦活作用と前述の還元力が相まって、強力なシワ取り効果が期待できる。

8.抗炎症作用

HX-01Bは、局所皮膚塗布によって強力な抗炎症作用を示す。

(1)虚血足浮腫の抑制作用 ラットの足首部をゴムひもで結紮して30分間虚血したのち血流再開後に発生 する浮腫が、1%HX-01B含有ジェルの足蹠部塗布により、劇的に抑制された。

(2)セロトニン浮腫の抑制作用ラットの足蹠部皮下にセロトニンを投与して惹起した浮腫が、3%HX-01B含有ジェルの足蹠部塗布により、明らかに抑制された。

9.HX‐01Bはどんな処方や剤形にも配合できる

HX-01Bは、水、緩衝液、アルコール、かなりの種類の有機溶媒など、非常に広範な溶解性を有している。しかも、塩類イオンは持っていない。

したがって、高濃度のHX-01B処方設計、陰イオンや陽イオンとの配合などを化粧品技術者が躊躇する必要はなくなった。HX-01Bは、乳液、クリーム、ローション、油水分離型ローション、固形物含有ローション、パック、スティック、パップ、シートなどあらゆる剤形設計を可能にした。

このように、HX-01Bを用いることによって、製造現場に特別な設備を付加することなく、美白化粧品や老化防止化粧品、ならびに筋肉・関節の炎症および疲労を予防・回復するための各種剤形の製品製造が可能になる。