街を往来する人に目をやると、千差万別の歩きかたの存在にあらためて驚きます。そのせいでしょうか、数年ほど前から健康法として、ウォーキングを実践する人が増えはじめ、テレビや雑誌では「歩き方」についての特集まで見かけるようになりました。

しかし、むやみに歩いていも、せっかくの努力が時として災いを招くこともあります。何故なら、ほとんどの方は「正しい歩き方」について、指導を受けたことがありません。その結果、歩くという行為は、すべて足まかせ、とする方がほとんどのようです。学校や家庭で十分な指導がない以上、足に関心を寄せる人が少ないのも当然のことかもしれません。

歩き方で人の印象は随分と異なって映ります。ジーンズなどカジュアルダウンしたスタイルでも、きれいに歩くその姿、それだけで凄くお洒落に映るものです。また反対に、流行のメイクやファッションを意識してドレスアップしても、歩き方が悪いと不恰好に映り、せっかくのコーディネイトが台無しです。お洒落を楽しむ若い人が多いなか、実にもったいないですね。

最近では流行を追い求め、履物に足を合わせ、より一層おかしな歩き方に拍車をかけている方も見かけます。O脚になる為に歩いているのかなと思うこともたびたびあります。おかしな歩き方は上体の姿勢に連動して、正しい姿勢の保持は困難となり、余計なところに筋肉がついたりもします。猫背になり、肩が盛り上がってくるため、首が短くなり、顔が肥えたように見えます。

最近、タートルネックや帽子・ネックレスが似合わなくなってきたと感じはじめたら、それは首が短くなってきている(肋骨が盛り上がりその様に見える)と考えてよいでしょう。多くの方はこのような場合、肥えてきたと自分で納得されているようです。全く美容面から見てもよくないことだらけですね。

しかし、正しい歩き方を実行するだけで、O脚が矯正されたり、余計な下半身のぜい肉が取れた方をこれまで多く見てきました。もちろん、上半身の姿勢も良くなる為、胸が開き(バストは上へあがります)、肩は後へ下がることにより首が長くなります。そして首が長くなると顔がすっきり見えるのです。いいでしょ。体重は変わらないのに顔がすっきり見えたら。

なかには、脚の冷え性に悩む方が正しい歩き方を心がけていたら、「先生、歩き終わったら、ふくらはぎやむこうづねのへんが、血行よくなってかゆくなってきた。そして脚がぽかぽかする。」と喜ばれることが多々あります。その恩恵は外見の変化だけではなく、血液やリンパの流れを改善し、踵からの衝撃を和らげ、身体に与える負担を軽減したりよいことづくめなのです。また、足には終末レセプターというセンサーのようなものが多く存在し、身体のバランスや姿勢に影響を与えています。悪い歩き方では悪い信号ばかりが送られ、反対に、正しい歩き方はよい信号が送られていることになります。

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