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サブラクセーションとは/カイロプラクティックの禁忌・禁忌症/カイロの適応症/re-bone

サブラクセーションとは/カイロプラクティックの禁忌・禁忌症/カイロの適応症/re-bone

サブラクセーションとは。

単に、いくぶん骨のズレに状態を指し、関節の「構造的障害」と見なす正統医学に対し、内因性・外因性の要因の絡み合った複合的な「機能障害」と見なすカイロプラクティック。このサブラクセーションの認識は、健康を考えるうえで、重要なキーワードとなるだろう。

カイロプラクティックにおける人体の認識のなかで、きわめて独自な概念が「サブラクセーション」でしょう。いったいサブラクセーションとは何を指すのか、その定義についてはこう書かれています。「サブラクセーションとは、隣接関節構造の正常な動力学的、解剖学的、そして生理学的関係の変調である。」(A Subluxation is the alteration of the normal dynamics,anatomical and physiological relationship of contiguous articular structures.)

簡単に言えば、ある関節をみた場合、「動きが悪く」「構造的な歪みをつくり」「神経生理学な痛みや熱、コリなどが伴う」ことが分かれば、この関節にサブラクセーションが起きていると判断するわけです。

ただし、人間の動きは局部的にせよ、神経伝達によって整然と調和をもった統一的な流れの一環として創出されているため、その原因も微候も単純一様ではありません。

英語で言うところの「サブラクセーション」は、ほぼ「亜脱臼」と訳されますので、いくぶん骨のズレた状態を指し、正統医学の見地からすれば関節の「構造的障害」とのみ見なさています。しかし、カイロプラクティックでは、内因性・外因性の要因が絡み合った、複合的な色彩をもった「機能障害」と見なしますので、正しくは「カイロプラクティック・サブラクセーション」と呼ぶべきでしょう。

冒頭の定義は、1972年にアメリカ合衆国政府がカイロプラクティックを老人医療保険に組み入れる際、これを統一する必要が生じ、テキサス州ヒューストンで全米のカイロプラクティック大学関係者が集まって協議を重ね決定されたもので、カイロプラクティックを教育している世界の機関ではこの言葉を採用しております。

それまでサブラクセーションと呼ばれる概念について、カイロプラクティック発祥の地、アメリカであってもさまざまな見解がありました。

曰く「サブラクセ―ションとは、関節表面が部分的に接触を保ちながら、部分的なあるいは不完全な分離した状態をいうD.D.Palmar,カイロプラクティックの創始者)」

サブラクセーションとは/カイロプラクティックの禁忌・禁忌症/カイロの適応症/re-bone「サブラクセーションとは、脊椎がわずかに中心をはずれた場合をいい、通常動きは正常範囲か、あるいはわずかに正常範囲か、あるいはわずかに正常範囲を超えている。サブラクセーションは、関節の変形、働きの減少として脊髄神経や血管に圧迫、索引を起こさせるような椎間孔の直径の変化などを伴っている。サブラクセーションのある椎体は、動きに対する生理学的要求と荷重負荷に完全に応ずる能力がない。Joseph Janse DC,故ナショナルカイロ大学学長)」

など、代表的なカイロプラクターはさまざまな解説を試みてきました。しかし共通しているのは、人体の骨格構造の状態について、神経や血管などへの影響のみならず、骨はもちろんですが筋肉や靭帯それに軟骨など、関節を構成する組織すべてについて、一次的あるいは二次的にみて機能的あるいは形態的に正常な状態ではない、と解説されていることです。

一歩すすめて、その定義から、最近ではサブラクセーションを関節の非正常な状態として、関節の可動性が減少し運動範囲が狭くなったり、あるいは可動性が異常に増してしまい、関節の安定性が損なわれた状態とするなど、その機能に重点をおいた考えや、関節を可動させている骨格筋に注目して、その関節の軸に沿って運動をさせる特定の筋肉の異常な緊張状態や弛緩状態が正常な関節運動を阻害しているとする見方など、より具体的な解説がなされています。

【サブラクセーションの分類】

それでは、サブラクセーションの具体的な分類にはどのようなものがあるのでしょうか。

1、静止した関節、特に脊柱ユニットのサブラクセーション=脊柱ユニットの位置関係を示すものとして、屈曲・伸展・側屈・回転・前方・後方・側方・上下の椎骨の間隙の変化、椎間孔の狭くなった状態の9種類があり、該当する脊椎関節のガイドする方向、つまり首とか胸、腰や骨盤の骨によってそれぞれ頻繁にみられる箇所が異なっております。

2、動的な関節ユニットのサブラクセーション=現在もっとも注目されているのがこのサブラクセーションと関する見解で、関節の機能に重点をおき、そのユニットが保つ可動性の減少(それによって関節が固定変位し、ある方向に動きを失うことをフィクセーションという)と、関節ユニットのゆるみからくる可動性の増加による関節の不安定な状態、それに関節そのものの異常な動きの3種類があります。

3、部分的なサブラクセーション=関節ユニットを越えていくつかの脊椎がグループとして不整列を引き起こす例を示し、側彎が特徴です。筋力差がアンバランスとなり脊柱を側彎化させる例、構造上の非対称が側彎を引き起こす例のほか、急性の腰痛などの、代償的な脊椎の動きがみられない側彎、それにグループとしての運動異常などがあげられます。

【サブラクセーションの原因】

さて、こうして整理されてきたサブラクセーションですが、人体にはなぜこのようなサブラクセーションが引き起こされるのでしょうか。その原因と遠因についておおまかに考えてみましょう。

1、外傷サブラクセーション=外傷すなわちケガは、人体に炎症や変性などの原因をつくります。これによりもたらされる筋肉スパズム(過緊張)が脊椎を運動させる際にアンバランスを招き、サブラクセーションを引き起こす原因になります。

2、姿勢的サブラクセーション=先天的あるいは後天的な姿勢構造の変化が、サブラクセーションを招く原因になります。通常、人体は脊柱を起立して使用するわけですが、重力に対する筋肉・骨格系統の正常なバランスが失われると、代償作用が働いて、脊柱の支持を安定化させる修正をします。しかし、この自動的な調整能力を超えてアンバランスが存在する場合、サブラクセーションとなります。猫背や一部の側彎はこのようなケースから招かれるものと考えられます。

3、職業的サブラクセーション=これは習慣的な動作の繰り返しによりつくり出されるもので、職業病との関連が大きいとされます。肩に重いものを担ぐ人にみられる胸椎の側彎や、重いものを持ち上げて運ぶ人にみられる腰椎の前屈姿勢などがあります。

4、反射的サブラクセーション=体性あるいは内臓のコンディションが筋肉の反射を招き、その結果、特定の脊椎にサブラクセーションが現れることが知られております。例えば胃が悪くなったりすると、背中の肩甲骨間のやや左側に筋肉の硬縮が現れ、対応する脊椎の可動性を損なうことなどです。

5、精神的体性反応としてのサブラクセーション=ストレスが身体の活動に与える影響はよく知られたところですが、これらによっても特定の脊椎にサブラクセーションが現れます。

カイロプラクターが主張する基本的なサブラクセーションの概念が、これで少しはお分かりいただけたでしょうか。サブラクセーションという認識は、健康を考えるとき、ますます重要なものとなるかもしれません。


外科医学じゃない。

例えば、整体指圧とカイロプラクティックが同じ治療のように宣伝されたために生じた混乱。ここでは、治療方法・考え方、あるいは役割の違いを述べることでカイロプラクティックが科学的根拠に支えられた、独自の治療技術の一専門分野であるということを理解していただけるでしょう。

東洋医学じゃない。

文=山内匡範

カイロプラクターは、治療に薬物と手術などの観血的手段を用いません。行うのはアジャストメントと呼ばれる手技と、温熱や寒冷などの物理的方法、体操、それに栄養指導などです。一部のカイロプラクターはハリやSSPなどの刺激療法を併用することもあるようですが、原則としては手技、すなわちアジャストメントが治療の根幹をなすものです

サブラクセーションとは/カイロプラクティックの禁忌・禁忌症/カイロの適応症/re-boneカイロプラクターは、外科的処置について、重要な医療の位置を占めるものとしてその必要を十二分に認識しております。しかし、外科的処置に頼らなければならないレベルの患者のみがその対象になっているかについては、別の観点があります。つまり、現在手術の対象とされる病気のなかには、カイロプラクターの行う手技や指導によって充分回復するであろうものも含まれていると考えているからです。

例えば、腰痛のなかでももっとも厄介とされる椎間板ヘルニアなどでは、グレードによっては手術より安全かつ効果的なテクニックを、カイロプラクターは開発しております。かつて椎間板ヘルニアがどうしてかくも有名になったかといえば、あまりにも多くの人がこの病気にかかり、手術をした後の患者にその手術が有効であったとされる割合が低く、なおかつなかなか根治しなかったことが一因と言えましょう。

その治癒率の違いは、主に対症療法としての局所治療と、根本治療としての総合医療の違いにあると言えます。X線検査を例にとれば、外科医学では、障害部位の構造的変位を調べるためにレントゲン撮影をしますが、カイロプラクティックでは、そもそもサブラクセーションは、複合した生体力学的・生理学的不調と見なしておりますので、そこに構造的なものとは異なる、脊椎関節の機能的変位があるかどうかを重視するのです。

そのため、カイロプラクターの使用するX線装置は、患者の脊柱が通常の直立位をとるように設計されており、いわば動態撮影としてのレントゲンということになります。その必要は、脊椎分節の動きは非常に微妙精緻なものであり、わずか数ミリ単位の脊椎の不全が、神経系全体に影響を与えると、臨床上から結論を得ているからでもあります。

ただし、誤解のないようにしなければなりませんが、このようなX線検査などの鑑別診断は、あくまでアジャストメントを治療の原則としているカイロプラクティックですから、禁忌の確認や脊柱障害範囲の確定、および特定の症状に必要とされるテクニックの選定という、限定的な目的のために行われているのです。

以上からも、カイロプラクティックが、治療技術の一専門分野であるこるが理解できると思いますが、結論から言えば、カイロプラクターがその能力を充分に活かせる環境さえあれば、今までより安全で有効な治療方法として、さまざまな患者にとって治療法の選択の幅が広がり、福音となることは間違いありません。そうすれば、カイロプラクティックが医療の一部を補っていく役目を担うことになります。現実に、米国ではこのような患者を同一の病院内で、外科医とカイロプラクターが相談しながら治療にあたるケースも増えてきております。

さて、カイロプラクティックと、東洋医学のなかでも物理療法とされるハリや灸、整体指圧、それに接骨との違いはどうでしょうか。これらの治療法とカイロプラクティックは、人間の自然治癒力を念頭に置き、物理手段をその処置とする点で大変似通っております。

ハリ灸は、金属製の針やもぐさなどの独自の器具を用い、漢方概論と呼ばれる弁証法的な哲学概念を、その治療指針としている点で、カイロプラクティックとは大きな違いがあります。しかし、カイロプラクティックのテクニックには、これらの治療効果理論を応用発展させたものも含まれており、両者の相違は直接的な治療方法ともいえるでしょう。

整体指圧とカイロプラクティックは世間で同じ治療のように宣伝されたため、標榜する治療師の間でさえ混乱がありますから、カイロプラクティックの治療をすでに受けられておられる患者さんに、カイロと整体指圧が同じ物と思っておられる方が多いのも止むを得ないかもしれません。しかし、カイロプラクティックと整体指圧には大変な相違があります。

整体指圧では、東洋医学の経絡・経穴に基づいた「診断即治療」を行い、気・血・陰陽のバランスをとるなどといわれていますが、カイロプラクティックには、独自の理論に基づいた視診・触診・垂直線を使った姿勢検査・皮膚温度測定・X線検査があります。要するに、プライマリー・ケアとしての役割を担っているかどうかであります。

米国では、カイロプラクターになるのに一般大学で基礎科学を中心に2年、その後カイロプラクティック専門大学で4年以上の課程を修了することが義務付けられており、修学内容は、薬物と手術をカイロの理論と技術に置き換えれば、他の医師と相違ないところまできております。

したがって、症状があってカイロプラクティックの治療を受けにきた患者さんが、はたしてカイロプラクティックによって治すことができるのか、それとも専門医を紹介しなければならない病気を持った患者さんなのかを鑑別する能力がそこで教育されているのです。そういった意味では、米国のカイロプラクターの責任は軽いものではありません。

よく整体指圧とカイロを同意語としている治療院にありがちなのが、しっかりしたカルテをとらない、必要な検査をしない、納得できる説明をしないの「三無い治療」といわれます。カイロプラクターがきちんとしたカルテをとらないし、必要な検査を治療前にしない、ということは米国や他の国では考えられません。その意味では、日本におけるカイロプラクティックという名称に整体指圧の文字を重ねて表示された治療院のレベルは、推して知るべしといったところでしょうか。もちろんカイロプラクターはカイロプラクティックという名称しか使っておりません。

最後に接骨、つまり柔道整復師の行う治療ですが、これは骨折、脱臼、打撲、軟部組織の損傷などの外傷に限定されている応急処置、またはアフターケアがその施術範囲とされているもので、わが国独特のものといえます。

カイロプラクティックが医療の一部として機能すること。

カイロプラクターがその能力を充分活かせる環境さえあれば・・・つまり、正統医学との違いを認識した上で、得意、不得意な部分をお互いに補っていくことができれば、さまざまな患者にとって、これまで以上に安全で、有効な治療方法として福音となるに違いありません。現にアメリカでは、同一の病院内で外科医とカイロプラクターが相談し治療にあたるケースも増えています。


 
敢えて、
禁忌を語る。
カイロプラクティックの禁忌。

【禁忌】

禁忌とは、『治療上ある薬物を用いると症状の増悪をきたし、あるいは配合された薬物が反応分解して、治療の目的にそぐわないことがある。そのようなときにその薬物を禁忌という。このほか治療または診断のために人体になんらかの影響を与える一切の医療行為に対しても用いられる(医学大辞典・南山堂)』と一般的な認識として理解されている。

欧米においては、100年の伝統を有し、世界第二の医療まで発展したカイロプラクティック。残念ながら日本では、普及しつつも、未だ正しく認知されているとは言い難い現状にある。

その背景には、誤解や曲解に基づいた批判があるためで、要約して代表させれば、@危険性、A非科学的、B誇大広告、の3点があげられるようです。ただし、ここで見落としてはならない点があります。それは、日本においては欧米諸国と違い法制化されていないため、誰でもカイロプラクティックの看板を掲げることができる、という点であり、誤解の主たる要因は、そこにあります。要するに、批判は、カイロプラクティックがどのような医療かを知らずに治療を行う施術者に向けられるべきであって、カイロプラクティックそのものに向けられたものであれば、それは故意の曲解か無知によるものと言わなければなりません。

カイロプラクティックでは、次のような疾患を禁忌症としています。

原因別にみた禁忌症

カイロプラクティックの禁忌症は、一つの方法として、疾患の原因によって分類することができる。

1.血管障害に伴う疾患

くも膜下出血、脳・脳幹・小脳出血および梗塞、脳動静脈瘤、心筋梗塞、狭心症、眼底出血など

2.腫瘍性疾患

悪性腫瘍全般、たとえ良性でも脳腫瘍、脊髄腫瘍などの中枢性疾患など

3.急性炎症性疾患

髄膜炎、急性肝炎、急性膵炎、腹膜炎、虫垂炎など

4.感染症

赤痢、コレラ、猩紅熱、ジフテリヤ、日本脳炎、結核、インフルエンザ、肺炎、破傷風など

5.血液疾患

白血球、血小板減少症、血友病など出血素因のあるもの

6.外傷性疾患

頭部打撲、骨折全般、裂傷、挫傷、熱傷など

7.中毒症

重金属、ガス、有機溶剤、農薬、食品、薬など

8.その他

急性腹症、網膜剥離、後縦靭帯骨化症、脊椎管狭窄症、リューマチ、筋萎縮性疾患、二分脊椎症、脊椎スベリ症、重度の変形性脊椎症、重度の骨粗鬆症など

自覚症状からみた禁忌症

禁忌症を原因別にまとめて、その代表的な病名を紹介しました。

ほとんどのカイロ・オフィスには、適応症を案内したパンフレットが置いてあります。そこには、むち打ち症や自律神経失調症、頚肩腕症候群、過敏性腸症候群などの症候群の紹介もありますが、そのほかはほとんど頭痛、めまい、手足のしびれ、腰痛、背痛、肩こり、疲労倦怠感、眼精疲労など自覚症状が列記されています。これは、患者さんにカイロプラクティックを簡便に理解してもらうために、自覚症状が共通語として使われているのです。

例えば頭痛といった場合、どんな原因で起こった頭痛でもよいかというと、実はそうではないわけです。原因によって、禁忌症と適応症は当然分けられなければなりません。パンフレット等に紹介されている自覚症状の全てについて検討をしてみたいのですが、紙面の都合もありますので、ここでは特に危険な疾患を含む頭痛とめまい、そしてしびれについて考えてみたいと思います。

頭痛の中の禁忌症

頭痛を知らないという人はほとんどないくらい、これはポピュラーな症状です。カイロ・オフィスを訪れる患者さんでも腰痛、肩こりに次いで多い症状と言えます。そしてその90%〜99%は良性のタイプと言われていますが、たとえ1%でも、生命に危険が及ぶような悪性タイプの疾患には、注意深い対応がされております。 

頭痛を伴う疾患には、a.くも膜下出血/b.脳腫瘍/c.慢性硬膜下血腫/d.脳動脈瘤、動静脈奇形/e.脳血栓(普通は痛くないが椎骨脳底動脈は痛む)/f.三叉神経痛/g.偏頭痛/h.筋収縮性頭痛(緊張性頭痛)/i.大・小後頭神経痛/j.内科(脳脊髄膜炎、ウィルス血症など)、耳鼻科(副鼻腔炎など)、皮膚科( 三叉神経の帯状ヘルペスなど)、歯科(歯髄炎など)からの二次性頭痛などがあります。

その中でも大まかな表現として、頭蓋内疾患は禁忌症、そして頭蓋外疾患にカイロプラクティックの適応症が含まれると考えられます。

a〜eのような疾患の自覚症状としては、一瞬にして頭全体がガーンと痛むような突発ピーク型の頭痛、あるいは頭痛・嘔吐・めまいが三拍子そろうもので、そのような症状に遭遇したら、迷わず専門医の門をたたくべきです。

めまいの中の禁忌症

めまいは原因によっては脳外科、脳神経内科、内科、耳鼻科そしてカイロプラクティックにまたがる症状です。その中でも脳の出血や梗塞、あるいは腫瘍による中枢性障害の場合は禁忌です。

めまいは、景色がぐるぐる回る、あるいは自分がぐるぐる回ると感じる回転性めまい、フラフラする、フワフワ浮いたように感じる(浮動感)、何となく揺れているように感じる(動揺感)、ふらつき、そして立ち上がった瞬間に血圧が下がって一瞬クラッと気が遠くなる感じがしたり、眼前暗黒感が出現する立ちくらみに分類されます。

回転性めまいは中枢性障害の場合と、末梢性障害があります。ふらつきや、立ちくらみは脳の虚血発作であり、特に老人の場合は、梗塞による椎骨脳底動脈不全症が疑われる現象です。若年者では、自律神経失調症による起立性低血圧が、原因している場合が多いと言えます。頭痛を伴うめまいに偏頭痛性めまいがありますが、これは疲労、寝不足、飲酒、心労などの誘因があったり、何度も同じ体験をしていることで禁忌と区別できます。

禁忌症の自覚症状としては、誘因もなく、初めての突発性ピーク型頭痛を伴うめまい/頭痛・嘔吐・めまいの三拍子そろうもの/頭痛や吐気は伴わないが、一定の頭位でめまいが発症し、その頭位を続ける限り同じ強さで延々と続き、頭位を変えるとピタリと止まる。そして再現性がある。こうした症状は、頭蓋内の出血や梗塞が疑われ、専門的な検査が必要となります。

しびれの中の禁忌症

一般的にしびれと表現される症状には、@知覚鈍麻(触れた感じが鈍い、あるいはない)、A異常知覚(ジンジン、ピクピク、チクチク、ズキズキなど)、B運動麻痺、があります。

しびれは、その原因疾患が多種多様です。例えば単に左手のしびれの原因は?…といえば、a.脳血管障害/b.脳腫瘍/c.脊髄腫瘍/d.心疾患/e.肺ガン/f.中毒/g.内分泌・代謝性疾患/h.てんかん/i.頚椎症/j.胸郭出口症候群/k.頚椎サブラクセーション/l.肘関節あるいは手根管部の絞握性神経障害、といった具合に、脳外科、整形外科など医療全般からカイロプラクティックに至るまで、治療分野も多岐にわたる症状です。

禁忌症のトップは頭痛やめまいと同じく、やはり脳血管障害あるいは腫瘍性の生命にかかわる中枢性の疾患です。 禁忌症の自覚症状としては、片側半身のしびれ、あるいは一側の頭部・顔面と交叉性に反対側の半身のしびれが主です。それらは、脳の血管障害や中枢性の障害が疑われるため、専門医に委ねられます。 一般に禁忌症によるしびれは、多発性神経障害が多く、カイロの適応症は単発性(1〜2分)神経障害であるのと対称的だと言えるでしょう。


カイロの主な適応症

適応症を語るためには、前述の“禁忌”に対する充分な認識を前提になされなければなりません。
ここでは、効果のある主な症例の中から7項目を選び、その病理のメカニズムとカイロ治療のアプローチの方向性と方法の紹介にとどめました。

病名や症例の羅列によって生じ得るカイロに対する過大な期待、あるいは、誤解や曲解を避けたいという考えからです。

主な適応症@ ムチ打症(頸部加速/減速症候群)

俗に言うムチ打症は、交通事故の直後よりも、ずっと後で症状が起こってくることが多いとされています。統計的には、24時間以後から1週間の間に発症するケースが約90%と最も多く、1ヵ月から1年以内に発症する例もわずかにみられるようです。ですから、例え軽い事故であったにしても、軽く転倒した程度で、その時には何にも症状がない状態であっても、ムチ打症にならないという保障はないのです。

加速/減速障害によるムチ打様の衝撃が、頸椎や脊椎のちょっとしたズレを引き起こします。もし、治療もせずに放置しておいた場合、頭痛、頸部痛から腰痛、坐骨神経痛、副鼻腔炎、アレルギー、肩や腕の痛み、自律神経障害などに至る広範囲の症状が起こり得るでしょう。障害がどこの部位に及ぼうと、交換するスペアはありません。

外傷は靭帯、筋肉、神経、脈管系にまで影響してきます。こういう組織は軟部組織と呼ばれ、過伸展しすぎたり、いったん傷めてしまうと治るまでに時間がかかります。はん痕が組織に現われる場合があり、そうなった時には、組織は以前の正常な組織に比べると、元のようにならないのです。はん痕は、例えば衣服が破れて、つぎ当ての役目をしていると考えてください。

頸椎では100以上の靭帯や筋肉が、ルーズな形でつなぎあっています。したがって、しっかり固定されているわけではありません。そのために、首は大きな可動域があるのです。首は7つの骨と32個の関節からできています。頭は首よりも重く、不安定であるため、頸部への不意の加速/減速のモーションが、非常に高い確率で、頸椎などのサブラクセーションを引き起こすことになるのです。例え事故後しばらくして、痛みが楽になったからといって、安心はできません。時間の経過に従い、また、痛みが増してくることがあるからです。その上、放置されたサブラクセーションは、関節変性の始まりとなるでしょう。

最近、日本でも自動車保険損害賠償責任保険などで、カイロプラクティック治療を求めて来院する人が増えており、カイロ治療効果に注目し始めた。保険会社の現場実務の担当者を集め、カイロプラクティック治療のデモや説明のセミナーも開催され、その盛況ぶりには保険会社サイドの関心の高さがみられます。

ムチ打症で悩んでいる方は、是非カイロプラクティックのアプローチによる治療を試みてください。

主な適応症A 顎関節(TMJ)のトラブル

数ある関節の中でも、顎関節が重要な関節であることを、一般的には良く知られていません。ところが、実際には、この顎関節の異常によって、日常生活を脅かすような身体の不調を来す症例が少なくないのです。顎関節は頬骨と下顎骨で構成され、頭蓋骨や頸部に筋肉を走行させている関節です。口を開いたり、閉じたりする時に、耳たぶの内側に顎関節の動きを感じとることができるでしょう。

顎関節の異常は、話をしたり、物を食べる時、力んで歯を食いしばった時に、違和感を覚えることによって、感じることができます。顎関節周辺の不快感だけでなく、頭痛、頸部痛、腰痛、肩の痛み等として発症することもあれば、時には、全く思いもよらぬ問題を引き起こすこともあります。例えば、精神的な不安定、ふらつき、身体のバランス異常、高血圧、鬱症状、視力異常、難聴、悪心など。

顎関節のトラブルが、こうした症状と関連があることを、歯科医やカイロプラクターは以前から知っており、問題にしていました。ケガや交通事故、筋肉のアンバランス等で起こっている顎関節問題の解決を、アメリカではいち早く、歯科医とカイロプラクターが一緒に研究し、治療にも当たってきたのです。顎関節のトラブルは、日常の何でもない姿勢や、アゴの打撲でも問題を引き起こすことがあります。アゴへの強力な打撃は、顎関節を脱臼させたり、ズレを起こすだけではありません。数週間から一カ月位で、いろいろな問題を発症させることにもなりかねません。

子どもが頬杖をして、本を読んだり、テレビを見たりする姿勢は、知らず知らずに顎関節にプレッシャーが加わり、TMJサブラクセーションを誘発するのです。例え小さなズレでも、多くの問題が引き起こされる可能性があります。その場合、多々警告信号があるので理解しておくとよいでしょう。口を開けるとグチグチ音がする、開口の途中でカクンと大きく動く、食物を噛むと痛む、ご飯を食べてアゴがだるくなる。これが顎関節異常のシグナルです。他に、自分でできるチェックは、大きく口を開いて、3本の指が縦に難なく入れば正常と言えるでしょう。

顎関節の構造、そして広範囲の問題を考えた時、特に脳と顎関節の神経との関連性を強調しすぎることはありません。こうしたことが指摘されるようになったのは、ここ数十年のことなのです。カイロプラクターと歯科医はこの関節が引き起こす多くの症例を理解してきました。カイロのアジャストメントは、こうした顎関節問題を得意にしていますが、それは単に、顎関節の問題のみにアプローチすることなく、頚椎や他の関節や筋肉の問題を含めて、総合的に治療しているのです。

主な適応症B 腰痛

いわゆる腰痛と呼ばれるものは、なんらかの原因で腰から出てくる神経が痛みを感じることです。

腰とは背骨(脊柱)の下部から骨盤にかけての屈伸する部分のことです。背骨をつくっている骨を椎骨と呼び、腰にはこの骨が5個、上下に積木のように並んでいます。五つの椎骨がつながる部分を椎間関節といい、この関節の前から脊髄より枝分かれした神経が出ています。

腰痛を起こす原因としては主に

@「椎骨」(脊椎)を連結している「椎間板」に、この神経が接触して神経を興奮させる
A「椎間関節」が接触して知覚神経を興奮させる
B脊柱の一番下の仙骨と、寛骨(骨盤)との間にある「仙腸関節」がねじれて痛みを出す
C背中の筋肉がパンパンに張ってしまい、「筋肉やその筋膜」より痛みが発生する

痛みを発生する組織としては筋肉、筋膜、腱、靭帯などがあります。これらの軟部組織には知覚神経が分布していて、組織の異常により神経が刺激され痛みを感じます。神経の根元が直接痛みを発生していることもあります。

いずれにしても、興奮した神経をもとに戻さなければ痛みはおさまりません。腰痛の治療とは、軟部組織の異常を改善し、神経の異常興奮を低下させることなのです。そこで、まず整形学的検査、神経学的検査等を行います。検査により腰痛の種類を鑑別してから、各々の症状にあった治療を行います。

椎間板が神経に直接接触するタイプの腰痛は、症状的にはかなりひどく、腰痛に加えて下肢に痛みやしびれ感、冷感、場合によっては筋萎縮が起こります。治療方法としては異常のある椎骨間を広げて、神経が当たらないようにします。

椎間関節が接触して痛みを発生している腰痛は、立つことはおろか横になっていても痛みがあり、寝返りをうつこともままになりません。この場合の治療法は関節間隙を広げ、椎間関節が接触しないようにして、神経を興奮させないようにします。

仙腸関節による腰痛では、朝洗顔ができない、椅子にしばらく腰掛けていて立ち上がろうとすると臀部に痛みがきて立ち上がれないなどの症状が出ます。これはねじれた仙腸関節にストレスがかかるためで、正しく噛み合っていない仙腸関節を正しい位置に戻して、引き伸ばされて痛みの出ていた靭帯に無理がかからないようにします。

筋肉・筋膜が緊張して痛みが出ているときには、それらの組織を伸展させて神経の興奮を抑えます。

このようにして、症状にあった治療法を行うのがカイロプラクティックの治療なのです。

なお、これ以外の原因で腰痛が起こることもあります。そのような場合でもカイロプラクティック治療の適応となるものがあります。まずはカイロプラクターにご相談ください。

主な適応症C 肩こり

肩こりは東洋人(とくに日本人)に特有の症状で、上部僧坊帽筋、肩甲拳筋、菱形筋、胸鎖乳突筋などが緊張しすぎて硬くなり血行不良を起こしたり、反対に弛緩してしまい正常に収縮ができなくなるために起こります。症状としては肩の痛みや頭痛、首や肩が動かしにくい、重苦しい、希には吐き気がしたりします。

肩こりを起こす主な原因としては

@脊椎のズレ
Aストレス
B姿勢の異常
C交通事故などのムチ打ち
D希に内臓の疾患のためなど カイロプラクティックでは肩こりをどのように治療するのでしょうか。

まず最初に何が原因で肩こりが起こり、どの筋に問題があるのかを調べます。

もし、異常を起こしている筋が正常に収縮できなかったり、緊張してしまっている場合には、筋にある神経固有受容器の筋紡錘やゴルジ腱を処置したり、筋膜が収縮しているときにはこれを伸長させることにより肩こりを治します。

肩こりに関連する僧帽筋あるいは胸鎖乳突筋は、脳神経より直接支配されています。そのため、精神的影響が大きく作用します。ストレスが溜りますと、同じ脳神経に神経支配されている上部の頚椎がサブラクセーションを起こします。これが悪循環になり余計に憎帽筋などがこってしまいます。

また、勉強中や家事仕事、オフィスでの姿勢などが悪いために、脊椎が「ズレ」るために肩こりを起こすことがあります。サブラクセーションがあると周囲の筋は正常に収縮できなくなったり、緊張を起こしたりします。もし、これらのサブラクセーションにより筋のバランスがなくなってしまったために起こっている場合は、それにアジャスメントを施すことにより肩こりを治します。

交通事故などで「ムチ打症」になると頚椎はミリタリーネック(まっすぐな頚椎)になってしまいます。これが上部憎帽筋を緊張させ、肩こりになります。治療としてはアジャスメントにより頚部が正常な彎曲をもつように処置します。このようなケースでは頚部を支える筋が異常に興奮していたり弛緩してしまっていることが多くあります。これらの筋群を処置して頚椎を安定させます。

これ以外に変わったところでは、例えば顎関節などがあります。噛み合わせに使う筋のバランスが悪くなるなどで、顎関節が正常に動かなくなります。それが頚椎に影響して、ついには肩がこってきます。治療としては顎関節の動きを正常化するために必要な処置を施します。

肩こりが起こるとすぐに按摩したり、肩をたたいたりする人がいますす。なるほどその場は楽になりますが、そうすることにより肩こりを起こしている筋の筋紡錘が浮腫を起こしてしまうのです。

その結果いわゆる「もみかえし」が起こり、次に日にはより以上に筋が収縮してしまったり、弛緩してしまうのです。これを繰り返していると益々肩がこるようになり、しまいにはどうしようもなくなってしまいます。欧米人には無く、日本人に慢性の肩こりが多いのは、実はこの按摩の習慣のためです。肩こりを治すためには肩を「按摩しない」「叩かない」ことが最も重要なことです。

自宅でできる肩こりの処置法としては、決して筋を「もまない」で、その代わりに患部を温めてから肩を動かすことです。温めの風呂に少し長めにつかって(15〜20分)、充分に暖まったら肩を大きく動かすと良いでしょう。全身を使う運動、例えば水泳なども効果があります。

肩こりは、単に症状として現れるばかりでなく、何か別の原因のために起こることがあります。「最近肩こりがひどいな」と思ったら、カイロプラクティックのチェックを受けてみてはいかがでしょう。

主な適応症D 膝の異常

膝関節は全体でみると蝶番関節という構造で、ドアの金具のような働きをします。膝から下(下腿)を曲げ伸ばしさせ、足を前後に動かす機能がありますが、膝関節を中心に下腿をねじることはほとんどできません。このことは膝の機能異常を理解するために重要ですので覚えておいてください。

サブラクセーションとは/カイロプラクティックの禁忌・禁忌症/カイロの適応症/re-bone
ニュージーランドレポート

1987年、ニュージーランド政府が、徹底的なカイロプラクティックの実態調査を大規模に敢行しました。カイロプラクティックにも健康保険を適用してほしい、という国民の声に一国の政府が動かされたのです。調査委員は、公平を期して当事者を排除し、中立的な立場の人が選任されました。その調査書は377ページにわたる膨大なもので、ほぼ全面的にカイロプラクティックの主張を支持していたのです。この公正、かつ充分な調査レポートは、諸外国のカイロ政策にも大きな影響を与えました。

膝の関節をつくっている構造物は

@ふとももの骨(大腿骨)
A膝から下の骨(脛骨)
B膝のお皿(膝蓋骨)
C膝の軟骨(内・外側半月板)
D内・外側副靭帯
E前・後十字靭帯
F輪状靭帯
G関節包
H膝蓋靭帯
I関節周囲の筋肉

などで、相互に関係して関節を正常に機能させています。

機能的には、体重をささえるもの(@、A)・動きを円滑にするためのもの(B、C)・関節を安定させるもの(D、E、F、G)・関節を動かすもの(H、I)に分けられ、これを覚えておけば膝の異常が起きたときに見分けることができます。

一般に膝関節の傷めやすい場所は、膝蓋骨の上・下、膝の内側、後側が多く、外側はあまり異常を起こしません。また異常の状態は、動かすと痛む、じっとしていても痛む・うずく、腫れる、力が入らない、あるいは膝が充分に伸びないなどが主で、それぞれが異常の起きている場所・状態に関連しています。

膝の前面で、膝蓋骨の上下で痛みが起きる場合は、大体四頭筋(ふとももの筋肉)や膝蓋靭帯(膝のお皿の下)が正常でないことが多く、後面で痛むときは前・後十字靭帯や膝関節後方の筋(膝窩筋、大腿二頭筋、下腿三頭筋)に異常が生じています。膝の内側が痛む場合は、内側半月板、内側側副靭帯、あるいは膝の内側についている筋肉の筋力がおかしいなどが原因になります。

膝の異常は青少年時代は外傷によるものか、スポーツなどで膝を使いすぎて発生します。スキーは膝を中心に上半身の方向を変えます。バスケット、テニスでは踏み出した足を軸にして動く方向を変えます。そのときに膝をねじるのです。膝関節は曲げ伸ばしは自由にできますが、ねじる動きができるようにはつくられていないので、このときに半月板や輪状靭帯を傷めてしまいます。サッカー、ラクビー等のコンタクトスポーツでは片足で立っているときに膝にぶつけられて、側副靭帯・十字靭帯・半月板を傷めることがあります。

ある程度歳をとってから傷める場合は、主に膝の各部分の動きが悪くなるか、周囲の筋肉の働きが悪くなって起こることが多いようです。靭帯・関節包が固くなってきたり、筋肉の収縮力がなくなってくると関節を正常に保てなくなったり、正常な動きができなくなって痛みが起きてきます。また関節表面の軟骨が異常にこすれて炎症が起きて、関節が腫れることもあります。

カイロプラクティックではこのような場合、アジャスト、固定等で関節の動きの異常を改善し、靭帯の痛みの感受性を低下させます。関節のねじれによって半月板に損傷がある場合は半月板をもとの位置にもどして、周囲の筋の緊張度を正常に戻して、テーピングで関節を安定させます。関節にアライメント(ズレ)が起こっていると、関節が動くたびに異常な圧力がかかるため炎症を起こして腫れてきます。そのようなときにはアライメントを正しい位置にもどして炎症がおさまるようにして、テープ・包帯等で固定します。

膝に異常があれば、まず正座がしづらくなります。座った状態から立ち上がるときに力が入らなくて立ちにくく、立ち振る舞いに支障がでてきます。進行すれば曲げ伸ばしが苦痛になり、正座ができなくなってしまいます。

また、痛みのため、次第に身体を使わなくなるだけでなく、腰や他の部分を傷めることにもなりかねません。膝は立っている時にバランスをとる重要な働きがあります。膝に異常が起きればすぐに膝でバランスをとる動作に支障をきたします。歩くとき、階段の昇り降り、立ち座りや身体のバランスをとるのがしづらくなってきたと思われる時は、カイロプラクティックの治療で早めに調整しておくべきでしょう。

主な適応症E 機能性低血糖症

この低血糖症、案外知られていない割には、随分多くの人たちを蝕んでいるようです。アメリカでは大分前から社会問題になり、知らない人がいないくらいポピュラーな病気でもあります。これは、単に肩がこる、胃が痛い、気分が乗らないなどの症状に始まって、精神状態が乱れ、身体の臓器もバランスを崩し、能力低下に陥り、しまいには身体の組織を破壊してしまうというものです。しかも、私たちの身近にこの恐怖は常にあるのです。

ひょっとして、自分も…?と不安になる前に、次の五つの自己チェックをしてみてください。

@朝、頭がボーとしていて起きられない
A太陽、あるいは明るい光を見つめると、まぶしくて目を細めてしまう
B立ちくらみが良く起こる
C甘いものが好き
Dいつも体がだるい

以上、五つのチェックで三つ以上該当するようでしたら、機能性低血糖症を疑ってみてください。この病名、余り耳慣れない言葉ですが、体内のエネルギー源である血糖値(グルコースの量)が低くなっている状態のことなのです。もちろん、これは病的な状態ではなく、機能的な異常を指しています。

では、「機能的低血糖症」とはどんな症状なのでしょう。身体の各器官をコントロールしている神経は、血糖(血液中の糖分)の主成分であるグルコースによって養われております。これは人間のエネルギー源なのです。例えば、自動車はガソリンというエネルギー源がなければ走ることができません。人間も同じです。筋肉を動かすことも、心臓がポンプ作業をすることも、呼吸や、物事を考える作業まで、糖(グルコース)が血液中に溶け込んで全て人間のエネルギー源となります。神経では、エネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)をグルコースからしかつくることができません。ですから、この血糖値が低下すれば、神経は栄養不足になって正常に働かなくなります。神経の中でも特に大腿神経はこの影響を受けやすく、下肢がだるくなったり、腰痛が起きたり、あるいは階段の昇り降りがしづらくなってきます。

脳は神経のかたまりですから、当然ながら機能も低下してきます。まず初めに、脳の中でも生命の維持に直接関係のない部分、つまり思考回路に影響が出始めてくるのです。何となくやる気が起こらない、仕事や勉強に集中できない、いつも身体がだるい、頭がすっきりしない、いつも眠い、こんな症状が「機能性低血糖症」の始まりなのです。

身体のいろいろな機能が正常であれば、血液中のブドウ糖の量は、血液1dl当たり50〜140mgに維持されています。しかし、それが維持できなくて50mg以下に落ち込むことがあります。それが低血糖状態ということです。では、何が原因でそういう状態に陥るのでしょう?いろいろな原因が考えられますが、もっとも代表的なものは、砂糖の入った食品や料理を取りすぎることがあげられます。それに、食事の間が長いこと、ストレス、副腎の疲れなどでしょう。なぜ砂糖を食べて血糖値が落ち込むのかといいますと、実は血糖値が急激に上がるからなのです。砂糖は自然の食品に含まれている糖ではなく、精製して純粋にした糖ですから、たちまち吸収されて血糖値を一挙に高めるのです。その増え方があまりにも急なために、身体の対応が過剰になって、逆に今度は血糖値を下げすぎてしまいます。つまり、身体は膵臓からインシュリンを分泌して、血液中のブドウ糖を細胞に取り込んでいるわけですが、血糖値が急に上がるとインシュリンを出しすぎてしまうために、血糖値を逆に落ち込ませることになるわけです。そうなると、脳と神経系のエネルギー源であるブドウ糖を取り込めなくなりますから、頭の働きや脊柱の神経機能がスローダウンして、全身の機能にいろいろの問題を引き起こすことになります。

低血糖状態は単に神経系の異常を引き起こすだけではありません。血糖値を調節しているホルモン系統の異常も引き起こすことになります。甲状腺ホルモンの分泌が低下すれば、体内のエネルギー代謝も低下してきますから、「冷え性」にもつながってきます。あるいは、脳下垂体ホルモンの制御が不安定になり、副腎皮質ホルモンの分泌が悪くなると、「ストレス」に対しての抵抗力が低下します。ですから、児童、学生では登校拒否や家庭内暴力などを引き起こしやすくなってきます。

岐阜県のある中学の教諭が、中学生の食生活調査を行った結果が新聞報道で紹介されました。それは、調査した児童の3分の1は朝食抜き、4人に3人が糖分の取りすぎで、「だるい」「集中力がない」などの症状を訴えている生徒が4人に1人という結果でした。調査に当たった教諭は中学生の食生活の乱れを指摘しながら「三食きちんと食事していない子は、間食の糖分に偏り、低血糖症、精神不安定につながっているのがよく分かります」と忠告していました。

アメリカでは10年来、低血糖症に対する研究が行われてきました。日本でも最近岩手大学児童心理学の大沢教授が、登校拒否児童に対して長時間の糖負荷試験を行った結果、あきらかに機能的低血糖症を起こしている児童がほとんどであったという研究結果を発表しています。機能的低血糖症の児童に与える影響はこれだけではなく、集中力の低下により落ち着きがなくなり、学業成績が低下したりします。

児童だけでなく、大人でも集中力がなくなった、身体の疲れが取れないなどの低血糖状態が出始めたら、悪化する前にカイロプラクティック治療で回復を図ることが先決です。カイロプラクターはこの「機能性低血糖症」に適切なアドバイスをして、あなたのやる気も集中力も、子どもさんの学業成績の向上にも一役買ってくれることでしょう。

主な適応症F 足の異常・扁平足

歩いたときに足が痛くなるのは扁平足によることが多いのです。扁平足とは足底にあるはずの縦のアーチが下がって足の裏側のくぼみがなくなって「ぺったんこ」になっている状態のことです。アーチが下がってしまうと外見が悪くなるばかりでなく歩いたときに「バタンバタン」とした感じになります。濡れた足で歩くと足形にくぼみがないために、まるで「わらじ」で歩いたような足形ができてしまいます。足の形は左右同じですが、扁平足になると足の大きさが左右で違ってきて、悪い方が一回りも二回りも大きく見えます。靴を買うときに左右のサイズが違っていることに気付くときがあります。

扁平足で一番困ることは少し足を使っただけで疲れてしまうことです。しかも足の筋肉に正常な筋力が出なくて、歩くときにスタイルが悪くなります。

一般に扁平足は治療されず無視されてほったらかしになっているのが現状です。歩けばすぐに疲れるので、あまり外出をしたがらなくなります。男性は行動力が減少して仕事に差し支えます。女性は買い物あるいはウインドーショッピングなどがしたくなくなり、大変つらいことです。

解剖学的にいうと、扁平足は立方骨が下がって足の縦アーチがなくなり、さらに中足骨頭がつくっている横のアーチもつぶされた状態(開張足)です。反対に上方に持ち上がり(ハイアーチ)動かなくなることもあります。足のアーチはいわばショックアブーバの役目をしています。足が持つ「自然」のショックアブーバが機能しなければ、地面からの衝撃を直接に受けてしまうことになります。

足のアーチは、前脛骨筋、後脛骨筋、長短腓骨筋および足底にある多数の筋肉で支えられています。何かの理由でこれらの筋肉が力を失うとアーチが支えられなくなり消失してしまいます。しかし、逆にアーチがなくなることにより、それらの筋肉が異常をきたすこともあります。従ってアーチがなくなることは、足の筋肉に負担がかかることで、異常に疲れやすくなります。これらの筋肉(特に前脛骨筋)により足関節のサポートがなされているので足首の支えが弱くなります。わずかな段差でつまずいたり転んだりしやすくなり、場合によっては捻挫をしたりします。また、足底の靭帯が伸びきった状態になるので、長時間立っていると足の裏がほてり、痛くなります。

大阪大学名誉教授の水野祥太郎博士の研究によると、死体の足に加重を掛けていくと数時間で数mmアーチが下がるそうです。正常な足ではそれ以上は下がりません。しかし、急に太ったり、普段あまり足を使わない人や病気で長期間寝ていた人が急に長時間立って歩いたり仕事をすると、アーチは異常なさがり方をしてひどい扁平足になってしまいます。

扁平足はいいかえれば足根骨のアライメント(ズレ)の異常であり、背骨と同様に長期間それらが続けばその形に足根骨が変形してきます。

扁平足になるとアーチが働かない分だけ膝関節にも負担がかかります。あるいは股関節、腰部に異常を引き起こすこともあります。臨床的には膝関節に異常が発生することが多いようです。

またカイロ的に考えると、足のアーチが消失したという、単に機能的な異常ばかりではありません。先に述べた筋力の低下は内臓の機能低下からきているかもしれません。内臓の機能低下により筋肉にあるr-神経を直接抑制するために筋力が低下してしまうのです。それらの機能低下により扁平足が生じたのかもしれません。カイロ的にそれらの治療も必要でしょう。

扁平足はこのように色々な問題を生じさせますが、心配はいりません。適切に処置を行えば充分に回復します。足が疲れやすい、あるいはすでに足のアーチが落ちているなどの状態は、カイロ治療で足のトラブルを改善した方が賢明でしょう。

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